廃車
突然の別れ…
カーナビの指示にハメられて、雨の降りしきる細い峠道へ誘い込まれてしまいました。
落ち葉が散乱していて、ほとんど車が通った形跡が無かったので嫌な予感がしました。
下り坂のR=2mくらいの小さなヘアピン。
すぐ手前には小さな橋が架かっていて、ヘドロ化した落ち葉の山に気付かず片輪を乗せてしまい、コーナーをそのまま直進。カウンターを当てる間もなく橋の欄干に正面から突っ込みました。
事故処理
スピードは20~30Km/hでしたが、ここまで大きなクラッシュは生まれて初めての経験でした。
しかもここは、自宅から200キロ離れた隣の県の山の中。
エンジンは停止。
目の前には盛り上がったボンネットが見え、レッカー移動が必要と思い、すぐさま保険会社に連絡しました。
さすが、車の往来の少ない峠道ですね。
ケータイの電波が途切れ途切れの中、やり取りしました。
オペレーターにレッカー車の手配を依頼し、警察への連絡を促されるまま通報。
警察の現場検証中、ガードレールが破損しているので、警官が市の土木課へ連絡し、後日確認に訪れる旨言い渡され、物損事故で処理されました。
次の日に、市の土木課から電話がありました。
曰く:
「ガードレールの件ですが、グーグルマップ(ストリートビュー)で確認したところ、すでに6割くらい破損していたところに今回の事故で8割くらいになっていて、まあ、弁償していただかなくても結構です。」
と、神の声を頂きました。
自損事故には保険をかけていなかったので、結局、保険は使わずじまいでした。
一緒に帰る
レッカー車がやってくる前に、車の破損状況を確認しようとするもボンネットが開きません。
曲がったボンネットの隙間から内部を見ると、フロントエンドパネルがくの字に折れ曲がり、ラジエーターやエアクリーナー関係の部品を奥へ押しやっていました。
致命的なのがフロントクロスメンバー。
橋の欄干の基礎コンクリートに当たったらしく、こちらも正面からくの字に曲がっていました。
ただ、ラジエーターはサポート部分が折れ曲がっているものの、本体はほぼ無傷でクーラント漏れも無し。
オイル漏れもなかったことから、試しにエンジンをかけてみると見事に始動してくれました。
出来れば自走して帰りたい…。
エンジンと足回りを一通りチェックして、外観は問題なさそうでした。
不幸中の幸いに、ヘッドランプのステーは曲がっていたものの、ランプ類は点灯してくれました。
DIYメンテナンスをしてきたことで、どの個所に問題があるかをしっかり把握できたと同時に、車がすでに修理不能であろうことが私を悲しくさせました。
やがてレッカー車が到着。
実際に自走できるかどうか試乗するため、レッカー車も麓まで同じ道を下りて帰るそうなので、お願いして麓まで後をついてきてもらい、何とかなりそうだったので自走して帰ることにしました。
万が一、途中で車が動かなくなったときは、保険会社に連絡すれば、再び無料でレッカー車を手配してくれるとのことでしたが、何とか無事に帰宅出来ました。
愛車の処分
家に帰って、開かないボンネットのワイヤーをやすりで切ってエンジンルーム内を見てみます。
それでも、修理できることに一縷の望みをかけたのですが、外観以上に破損個所は多く、破損した部品をリストアップしてヤフオクで確認。
値段だけでミニカの購入額を超えてしまったので、あえなく断念しました。
自分で廃車にするのは初めてで、検索してみると運輸支局へ行って廃車手続きがどうのこうのと面倒臭そうで一気に不安が広がります。
何せ、こちらは金を払って車を引き取ってもらうのが当たり前の時代から車に乗っている身。
廃車業者が事故車も買い取ることはCMでも知っていましたが、持ち込んだ途端、色々な手数料を請求されるのでは?と、半信半疑で電話してみます。
電話したのは全国的にも有名な「廃車王」。
住所と車種を尋ねられ、自走して持ち込まれるなら8000円で買い取りする旨を告げられました。
営業所まで自走していくことを告げ、到着してから事務所の扉を開けると、既にお金と契約書が用意されていました。
契約書に住所と名前、印鑑を押して、従業員が車の破損状況を確認することもなく即座にお金を支払ってくれたので、査定されるものだと思っていた私としては意外でした。
廃車手続きも全て代行してくれるそうで、あっさりと愛車を廃車にすることが出来ました。
家でもっとパーツを剥ぎ取ってくればよかった…。
後日、車検証のコピーと自動車検査証返納証明書、業者発行の廃車証明書が郵送されてきました。
保険の解約
次の車を探すにしても探す当てもないため、今日明日の話にはなりません。
その間、加入した自動車保険の保険期間は継続するため、いったん解約して、残った期日に見合った返戻金を受け取ります。
自損事故については、任意保険会社に連絡済みだったので、次の日には支店から電話がかかってきました。
物損の保険請求などの書類が送られてきて、結局使わなかったのですが、今まで掛け捨て同然だった任意保険加入の大切さを改めて実感した次第です。
任意保険の方は、電話で廃車にする旨を伝え、保険会社と相談して次の車に移し替えることを考えて放置しておくことにしました。
ただし、自賠責保険の解約手続きの書類は自分で作成しなければいけません。
と言っても、書類に住所・氏名を記入して捺印するだけですが…。
契約会社へ電話すると、保険解約申請書と、解約手続きに必要な書類と契約解除の流れについて書かれた書類が自宅へ郵送されてきます。
必要な書類は以下の3通です。
- 自賠責保険証明書
車検証と一緒に車に保管されている保険証書です。
- 廃車したことを証明する書類
自動車検査証返納証明書が一般的だと思います。運輸支局や軽自動車検査協会など国の認可法人が発行したものです。
廃車業者に持ち込んだ場合、後で業者から郵送されてきます。廃車業者が発行した証明書と間違えないように注意します。
- 保険解約申請書
契約した保険会社から郵送されてきた書類です。住所・氏名と返戻金の振込口座番号を記入し、捺印します。
書類には、記入するべき箇所に鉛筆で印がされているはずです。
これらを保険会社に送り返します。
郵送で解約した場合、解約日は会社が書類を受理した日になります。
解約日によっては返戻金の額が変わる場合があるので、手続きを早く行いたい場合は、直接営業店に出向いて同様の手続きを行います。
まだ乗れたのに…
走行距離30万キロを目前にしての廃車でした。
40万キロ乗ることを目標にタイミングベルトとウォーターポンプを交換したばかりだったのに…。
密かにサスペンションとクラッチ交換を目論んでいて、危うく部品を注文するところでした。
走って良し、燃費良しで、私にとっては最高の車でした。
車メンテナンスのイロハを教えてくれた良き師でもありました。
次の車を入手するまでに、中古車サイトで物色するも見るのは、やはりミニカばかり…。
改めて探してみると、年式、走行距離などの条件に合ったミニカどころか、ミニカ自体の出品が少ない状況に寂しさを感じてしまいました。