軽自動車DIY整備記録

現在使用しているスバルGF-RA1プレオ、かつての愛車ミツビシH42ミニカの整備記録と日常DIY生活の紹介です。

トップ > ミニカ整備記録 > ブレーキ関係 > ドラムブレーキ オーバーホール① 分解・清掃

ドラムブレーキ オーバーホール① 分解・清掃

車検毎にメンテナンス

一般の軽自動車は、フロントがディスクブレーキ、リアがドラムブレーキになっています。

ブレーキキャリパーの取り外しは簡単ですが、ドラムブレーキの分解は難度が高くなります。

しかもミニカの場合、ハブナットの締め付けトルクの適正値が決められているため、興味本位で触れることは非常に危険です。

ドラムブレーキはドラムを取り外さないと、ブレーキシューのライニング残量やフルード漏れをチェック出来ません。車検毎にメンテナンスをするのが普通です。

ブレーキをかけた時、リアブレーキはフロントブレーキほどの荷重がかからないので、ブレーキシューの消耗はブレーキパッドほどではありません。

特に自分は、数台前の車や、遥か先の信号を見ながらアクセルをゆるめるので、余りブレーキを強くかけることは無く、ブレーキシューの交換は、今まで1度も交換したことがありません。

ハブナット

ドラムブレーキを分解する時に、必ず必要なものがリアのハブナットです。
セルフロック式のナットで、自然に緩むことが無いように設計されています。

純正品番 MR319634 ナット ホイールハブ
リアハブナット MR319634

社外品がいくつかあります。

SUN製ハブロックナットRN401(MR319634、43231-6A0A0)

ロックナット 2個セット MT-1 純正品番MR319634

1度使用したものは、再使用すると走行中にタイヤが外れる可能性があるため、再使用禁止になっています。

ブレーキドラム取り外し

ハブナットをカバーしているセンターキャップを外します。

細いマイナスドライバーを隙間に入れて軽く叩き、少しずつ隙間を広げていきますが、強く叩き過ぎると、センターキャップを変形させてしまうので要注意。

ある程度隙間が出来たら、隙間に何か引っ掛けて引き抜くと「スポッ」と抜けます。
ミニカ リアブレーキ センターキャップ

キャップを外すとハブナットが見えます。
ハブナットの大きさは24㎜。短いラチェットレンチでは外れないので、長いスピンナーハンドルを使います。

普通のナットは、1度緩めると、あとは手で回して外すことが出来ますが、ハブナットはセルロック式になっていて若干固いので、手で回せる位置までスピンナーハンドルを使って外します。

PWT 1/2インチ 12.7mm スピンナーハンドル 590mm

リアブレーキのハブナット外し

ドラムを手前に引っ張って外しますが、サイドブレーキをかけたままだとドラムはビクともしません。
サイドブレーキを解除することを忘れずに。
ドラムブレーキ内部

ドラムは、基本的に車検の時以外は外すことない部品です。
ドラムブレーキの中には、2年分のブレーキダストが溜まっているはず。
このまま分解作業を続けるとブレーキダストを吸い込むので、ブレーキパーツクリーナーを吹きかけ、大まかに掃除します。
ドラムブレーキ清掃

ブレーキ分解と清掃

いよいよ分解に取りかかります。後で見比べるために、分解する前に写真を撮って置いた方が良いでしょう。
特に、スプリングは全部で3本あり、引っ掛ける場所も分かりにくいです。
ドラムブレーキ内部 各部品名称

ホイールシリンダーそばにあるスプリング①を、アジャスターレバーから取り外します。
手で外そうとしてもビクともしないので、工具を使って外します。

AP 4PC ピック&フックセット

ドラムブレーキスプリング外し①

ブレーキシュー下のスプリング③も外します。それぞれのスプリングが、どの位置に引っ掛けてあったか記録しておかないと後で分からなります。
ドラムブレーキスプリング外し②

ブレーキシューを固定しているシューホールドスプリングとシューホールドピンを取り外します。

ブレーキシュー中央にあるスプリングリテーナーが、シューホールドピンで固定してあるので、専用工具が無ければプライヤーで挟んで90°回転させると外れます。

スプリングリテーナーを傷つけたくなければ専用工具を使います。

AP ドラムブレーキツール CJ-660

ドラムブレーキ スプリングリテーナー

シューホールドスプリングを外し、バックプレート下部ののアンカー部からブレーキシューを外して…。
ドラムブレーキ部品外し①

ブレーキシュー全体を少し下にずらし、シューをホイールシリンダーから外して手前に引くと、部品全体がごっそり外れます。スプリングを無理に広げる必要はありません。
ドラムブレーキ部品外し②

後ろに隠れていたスプリング②が見えてきます。
スプリング②とアジャスターの取り付け位置を記録。
ドラムブレーキ アジャスターとスプリング

ブレーキシューにはめ込んであるアジャスターを取り外します。はめ込み位置を記録。

このアジャスターは、ブレーキシューとドラムとの隙間(クリアランス)を詰めるための装置で、サイドブレーキを引くたびに自動調整する仕組みになっています。
ドラムブレーキ アジャスター

ブレーキシューのパーキングレバーは、サイドブレーキワイヤーに取り付けられています。
スプリングを縮めてサイドブレーキワイヤーを取り外します。
ドラムブレーキ パーキングワイヤー

シューホールドピンは、バックプレートの裏側から取り付けられています。
シューホールドピン

ホイールシリンダーのブーツをめくって、ブレーキフルード漏れが無いことを確認。

ブレーキフルードが漏れている時は、ホイールシリンダーカップ交換か、ホイールシリンダー交換をしなければいけません。

バックプレート周辺のブレーキダストや古いグリスをパーツクリーナーで清掃。
画像は左車輪のモノ。前オーナーの車検費用内訳では、ホイールシリンダーが1度交換されていて、交換費用は16800円。
ホイールシリンダーの液漏れチェック

外した各部品。点数はそんなに多くありません。
組み立て自体はガンプラを造るよりも簡単だと思います。
アジャスターも分解して、全ての部品と取り外したドラムをパーツクリーナーで清掃。
ドラムブレーキ 部品

ミニカ整備記録

関連記事

プレオのドラムブレーキ オーバーホール① 分解

ドラムブレーキは重要保安部品に指定されていて、車検毎にドラムを取り外して点検・整備を行うよう義務付けられています。
細かい仕様は各自動車メーカによって差はありますが基本構造は同じです。

ブレーキフルード交換

ブレーキオイルとも、ブレーキフルードとも言います。他のオイル同様、時間経過とともに劣化していくので定期的な交換が必要です。交換しないで使用していると、最終的に運転中にブレーキが効かなくなる可能性があります。

ドラムブレーキ オーバーホール② 組立・調整

ドラムブレーキは組み立ては勿論、調整も大切な作業です。ブレーキシューのライニングとドラムとの隙間を接触ギリギリまで縮めなければいけません。しかも、ミニカのドラムのナットの締め付けトルクには規定値があります。

ドラムブレーキ・ホイールシリンダー カップ交換

車検前のドラムブレーキ分解作業で、ホイールシリンダーのカップを交換することにしました。右側は問題なく交換することが出来ましたが、左側は錆びだらけになっていて大変な目に遭いました。

ドラムブレーキ・ホイールシリンダー交換

ドラムブレーキ分解作業で、ホイールシリンダー内部に錆が発生していました。ピカールで研磨してみましたが徒労に終わり、社外品の新品と交換することになり、大きな出費となりました。

ページのトップへ戻る