軽自動車DIY整備記録

現在使用しているスバルGF-RA1プレオ、かつての愛車ミツビシH42ミニカの整備記録と日常DIY生活の紹介です。

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ドラムブレーキ・ホイールシリンダー カップ交換

車検前のオーバーホール

ドラムブレーキのブレーキシューを駆動するホイールシリンダー内には、ピストンがはめ込まれていて、このピストンには、ブレーキフルードの漏れを防止するためのゴムカップが取り付けられています。

ゴムカップは、長年のブレーキ操作による摺動によってその機能が劣化していき、ブレーキフルード漏れを起こしてしまいます。

最悪の場合、ブレーキが効かなくなってしまうため、定期的な点検・交換が必要です。

車検前には、必ずドラムブレーキを分解して問題ないかチェックしています。

ただ、ホイールシリンダーに関しては、ブーツをめくってフルード漏れの確認程度で、ピストン内部の異常までは確認していませんでした。

走行距離はすでに24万km。ホイールシリンダーからのブレーキフルード漏れは見られません。

ドラムを分解した時の、ホイールシリンダー表面に見えるサビが気になって、カップキット交換に踏み切りました。

部品の取り外し

車検前に行っている点検と変わりません。習慣的に右側から取り掛かっています。
手慣れた手つきでサクサク分解していきます。

工程については、ドラムブレーキ オーバーホール① 分解を参照。
分解したドラムブレーキ

今回は、ここからホイールシリンダーのピストンを引き抜きます。
引き抜いた瞬間、ブレーキフルードが漏れてきます。

リアブレーキの配管は、スチールパイプでホイールシリンダーに直結されています。
フロントブレーキキャリパー オーバーホールのように、ブレーキホースにクランプを挟んでフルード漏れを防ぐことが出来ません。
ホイールシリンダーからピストンを引き抜く

パイプを外してキャップで栓をしてもよかったのですが、面倒くさいので、フルードダダ洩れでの作業をすることにしました。

漏れ出てくるフルードの量は大したことはありませんが、道路にフルードを撒くわけにはいかないので、紙コップで受けました。
最終的に漏れるフルードの総量は、コップ1杯分くらいでしょうか…。

ピストンを引き抜いた瞬間、フルードとともに中にあったスプリングも落ちてきました。
反対側の方が高い位置にあるので、そっち側を引き抜けばよかったと思いました。

スプリングは、円錐ばね(テーパーコイルスプリング)になっていて、取り付け方向には注意が必要です。
ホイールシリンダーから出てきたスプリング

ホイールシリンダー清掃とカップ交換

シリンダー内部にサビ等は見られなかったので、内部を軽く掃除しました。
シリンダー内に軽度のサビがあれば、ピカール等で内側を磨いて、錆を取り除く必要があります。

磨く時は、シリンダー内についた小さな傷を通ってフルード漏れを起こすことがあるため、ピストンの可動方向に磨く方法は適切ではありません。

可能ならば、シリンダー清掃専用のブラシで磨くのが望ましいと思います。
サビが酷い場合は、ホイールシリンダーAssy交換になります。
ホイールシリンダー内部の様子

ピストンは、うっすらとサビているように感じたので、ピカールで磨いておきました。

ゴムカップ取り外しですが、カッターで切れないくらい非常に硬く、ピックツールを使って取り外すことが出来ました。

ピストンは、新しいカップを取り付ける前に清掃して、薄くグリスを塗っておきました。

交換したホイールシリンダーカップキットは純正品番MB082497。
純正品は曙ブレーキ製で、メーカー名が思いっ切り刻印されていました。

ミニカのカップキットには、サイズがABS無しの5/8と、ABS有りの11/16があるので要注意です。
どちらか分からなければ、ホイールシリンダーに刻印されています。

ミヤコ/Miyaco カップキット WK-415 1セット

ピストンのゴムカップ交換ですが、完全にナメてかかっていました。
たかが、ゴム部品を交換するだけなのですが、このゴムが硬い硬い。

色々試しても上手くいかず、ピストンを地面に置いて、カップを上から体重をかけてやっと嵌めることが出来ました。
このゴム部品、少々手荒なことをしてもビクともしません。
ホイールシリンダーカップキット交換

一応、説明書に専用ツールを使う旨が記載されていましたが、まさかこんなに手こずるとは思わなかったので、用意していませんでした。

シリンダーカップコーンセット 4ピース STRAIGHT/19-7849

取り換えたカップ

カップを取り付ける方向にも注意が必要です。
ゴムが肉厚になっている部分が、圧力のかかるピストン断面側になるように取り付けます。

ブレーキシューが当たる側には、ダストブーツを取り付け、全体に薄くグリスを塗っておきました。
カップとブーツを取り換えたピストン

ピストン取り付け

ここまで来れば、後は楽勝です。シリンダー内にピストンを挿入していきます。
取り付け順は、低い側のピストン→スプリング→高い側のピストンの順が良いでしょう。

取り付けるスプリングの方向は、シリンダーの低い位置にある方が径の大きい方になります。
車のフロント方向が細くなると言えばよいでしょうか…。
ホイールシリンダーの組付け

ピストン取り付けは、素手で押し込めば入って行きます。
購入したカップキットには、グリスが付属しているので、ピストンだけでなく、ダストブーツにも塗りたくって水の侵入を防ぐことにしました。
ピストンのホイールシリンダー内への挿入

反対側は酷いことに…

左側のドラムブレーキのホイールシリンダーは、サビッサビになっていました。

ピストンが固着していて、素手で引き抜くことが出来ず、プライヤーを使って抜きました。
これはもうホイールシリンダーAssy交換になりそうです。
錆びたホイールシリンダーとピストン

因みにこの後、歯ブラシにピカールを塗って、シリンダー内を延々と磨くことになりました。
ピストンの方も錆びていて、いつまで磨いても埒が明かないので、適当に切り上げ、応急的にカップ交換しました。

後日、部品Assyを購入してホイールシリンダー交換しました。

ピストン取り付け後は、ドラムブレーキを外した順の逆で組付けていきます。

この後、ブレーキのエア抜き→ブレーキシューのクリアランス調整の順で作業します。
ブレーキフルードがほとんど抜けているので、結構な量のフルードが必要でした。

作業工程は、ブレーキフルード交換ドラムブレーキ オーバーホール② 組立・調整を参照。


大した作業でもないのに、外見上問題無さそうだと見過ごしていたおかげで、後になって大変な労力と費用を払う羽目になりました。

車検毎とは言いませんが、問題なくても定期的に交換するべきだと思い知りました。

ミニカ整備記録

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ブレーキフルード交換

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ドラムブレーキ・ホイールシリンダー交換

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