ギアシフトシャフトオイルシール交換
ミッションオイル漏れ
ギアシフトシャフトオイルシールは、マニュアル車のシフトチェンジをする時に、運転席のシフトレバーとトランスミッションとをつなぐシフトシャフトのオイル漏れを防止しているオイルシールです。
頻繁に行われるシフトチェンジによるオイルシール部分の劣化によって、やがてミッションオイルが漏れ出てくるため、定期的な交換が必要です。
車の下に潜って各所を点検していると…。
ギアシフトシャフトのブーツ周辺に、何かオイルが滲んでいる感じが…。
ブーツをめくって確認すると、ギアシフトシャフトにミッションオイルがべっとり。
早めに気付いて良かったです。
特に自分はユーザー車検派。整備工場で点検してもらえないので、これに気付かず放置して、ミッションオイルが無くなると、焼付きを起こしてしまいます。
オイル漏れの確認だけでも定期的に行うことの重要性を改めて実感しました。
シフトコントロールシャフト・ブーツとオイルシール購入
純正品番MR477996 オイルシール、M/T ¥330
よく目にする円形のオイルシールとは違って、あまり見ない形のオイルシールです。
交換するオイルシールとブーツは社外品が無いので、純正品を購入することになります。
純正品番MD740129 ブーツ、M/T ¥270
ブーツに穴が設けられていて、オイルシールからオイル漏れが発生した時はこの穴からオイルが出て来るので、オイル漏れを知ることが出来ます。
ミッションオイルは、前回のオイル交換から25000㎞。まだ早いので、再利用します。
用心のため、一応ミッションオイルも安いやつを用意しておきました。
ミッションオイルを抜く
ミッションの1番下にある部品なので、ミッションオイルを全て抜くことになります。
いつものように車をジャッキアップ。今回は、下で叩く作業があるので、リッジトラックを掛け、車を揺すって問題ないことを確かめます。
ミッションオイルを抜く前に、エンジン前側にあるフィラーボルトを緩め、あとでオイルを注入できる状態にしておきます。
オイルを抜いた後に緩まないことに気付いても手遅れ。必ず確認します。
エンジン左側ドライブシャフト下にある24ミリのドレインボルトを外し、ミッションオイルを抜きます。
ミッションオイルを抜き終えたら、後で忘れてしまわないよう先にドレインボルトを締めておきます。
詳細は、ミッションオイル交換を参照。
ギアシフトリンクロッドを外す
ギアシフトリンクロッドのミッションケース側のボルトを外します。
そのままでは他の部品が干渉してボルトが取り外せません。
先にジョイント部を固定しているスクリューボルトを外し、ジョイントを緩めてからロッドを少し傾けると抜くことが出来ます。
ボルトを引き抜いた瞬間、ロッドが顔面に落ちてくるので要注意。
ロッドを支えながらボルトを抜いていきます。
ジョイント部を取り外してブーツも外すと、ギアシフトシャフトが姿を現します。
シャフトはジョイント部が錆びていたので、後でピカールで磨いておきました。
オイルシール引き抜き
オイルシールの金属部分にプレーバーを当て、プラスチックハンマーで叩いてオイルシールを外します。
オイルシールは奥まで圧入されているため、軽く叩いたくらいではビクともしません。
オイルシールが変形するくらいの力で、ハンマーを思いっ切り叩いてやっと外れました。
あとは、そのまま手で引き抜けます。
オイルシールが外れると、ミッションケース内に残っているミッションオイルが落ちてくるので下で受けます。
オイルシール打ち込み
新品のオイルシールと、ついでに錆びていたシャフト部分にも錆防止のため、シリコングリスをたっぷり塗っておきました。
ただし、シャフトとオイルシールの接触部分のゴムには、オイルシール円筒内からリチウムグリスをてんこ盛りしました。
オイルシールは手では絶対入りません。
オイルシールに塩ビパイプを当ててハンマーで打ち込みます。
この塩ビパイプは規格外のモノの様で、ホームセンターを物色しても適当なものが見つかりませんでした。少しマニアックな塩ビパイプを販売している店で偶然発見したものです。
最初はやさしく叩いていたのですが、一向に入っていかないため、最後は思いっきりぶっ叩きました。
オイルシールは奥までは打ち込みません。
作業前に元のオイルシールの位置を測っておいた方が良いです。
オイルシールの円筒部分が5ミリくらい見えるくらいの位置です。
元のオイルシールの圧入されていた位置まで入れればOKです。
何度も打ち込んでいると、本来の位置より奥に入って行くので力加減は程々に。
シャフトブーツを取り付けます。ブーツは取り付けたオイルシールに嵌めるようになっています。
新品のブーツを取り付けている時に気付いたのですが、ブーツがきつくてなかなかハマりませんでした。
古いブーツはゆるゆるになっていて、そこから水が浸入し、ギアシフトシャフトの錆の原因になったと思われます。
ギアシフトリンクロッドを元に戻す
後は逆の手順で元に戻していくだけです。
ジョイント部分のOリングにはグリスを塗っておきます。
ジョイント部分ののスクリューボルトの回り止めの針金は、元通りに巻く必要がるのかよく分かりませんでしたが、新しい針金で元通りに巻いておきました。
ミッションオイルを入れて作業終了です。
抜いたミッションオイルは、そのまま再使用しました。
詳細は、ミッションオイル交換を参照。