3G83 タイミングベルト交換④ ベルト取り付け
スプロケットとテンショナーの取り付け
オイルポンプを取り付けたら、オイルポンプスプロケットを取り付けます。
外す時と同様に空回りするので、ユニバーサルホルダーでスプロケットを固定します。
ユニバーサルホルダー ロックタイプ STRAIGHT/19-680
オイルポンプスプロケットナットの締め付けトルクは53±3N・m。
正確に締め付けるため、トルクレンチは必携です。
トルクレンチ セット アルミホイール対応薄型ディープソケット付 BAL
カムシャフトスプロケットも取り付けます。
カムシャフトスプロケットナットの締め付けトルクは88±10N・m。
ベルトテンショナーも取り付けます。
取り付けたタイミングベルトにテンションを掛けるためのもので、タイミングベルト交換時には新品に交換します。
テンショナーを取り付けたら、スプリングを元通りにテンショナーのフック部分に引っ掛けます。
外す時よりも繊細な作業になるので、大きな力をかけられるフックツールを使った方が無難です。
テンショナーを取り付けたあとは、プレーバーを使って奥側に移動させ、ボルトを締めて仮止めしておきます。
ここはタイミングベルトを取り付けるまでこのままにしておきます。
タイミングベルト取り付け
新品のタイミングベルトを取り付けていきます。
作業中に掛けたベルトが頻繁に外れるので、カムシャフトスプロケットに洗濯バサミで挟んで固定しています。
カムシャフト→オイルポンプ→クランクと掛けていき、最後にテンショナーに掛けるのが楽です。
自分で付けたスプロケットの印と、タイミングベルトに付けた印が同じ位置に来るようにベルトが掛かっているのと、エンジン上部のカムシャフトスプロケットとバックプレート左側の合いマークが合っているかの確認と…。
下側も同様。一応、エンジン下部のオイルポンプスプロケットとクランクスプロケットの合いマークがあっていることも確認します。
ここで、テンショナーのボルトを緩めるとベルトにテンションがかかっていきます。
ここからスプロケットを回していきますが、その前にバランサーシャフト仮止め穴に挿し込んだドライバーを抜き取ります。
初期にした作業なので忘れてしまいがちですが、これを忘れるとスプロケットが回らないので要注意です。
合いマークの位置からクランクシャフトを時計回りに回し、バックプレート右側にある合いマークの位置まで回転させます。
この位置に来て、はじめてタイミングベルトに適正なテンションがかかります。
カムシャフトにレンチをかけて回したくなりますが、ベルトが緩んでテンションがかかりません。
クランクシャフトにユニバーサルホルダーをかけて回します。
タイミングベルト交換作業において、ユニバーサルホルダーは必要不可欠な工具です。
ユニバーサルホルダー ロックタイプ STRAIGHT/19-680
ここで、緩めていたテンショナーのボルトを締め付けます。
タイミングベルトテンショナーの締め付けトルクは26±3N・m。
バランサーシャフトの位置確認
タイミングベルトを取り付けたら、再びバランサーシャフト固定穴にドライバーを挿し込んで、バランサーシャフトの位置を確認しておきます。
クランクとオイルポンプの各スプロケットの合いマークが合っている状態から、オイルポンプスプロケットを時計回りに回転させ、5~6歯…。
再び合いマークが合っている状態に戻し、オイルポンプスプロケットを反時計回りに回転させ、1~2歯で止まればバランサーシャフトは適正な位置に来ています。
最初にセッティングしておいて、古いベルトを外してから新しいベルトを取り付けるまでの間に各シャフトに触っていなければ狂っていないはずです。
クランク角センサー、センシングプレート、ベルトカバー、オイルレベルゲージ、アイドラプーリー他を取り付けていきます。
クランクプーリーのボルト締め付け方法
最後の山場となるクランクプーリー取り付けです。
クランクプーリーは空回りするため、規定トルクで締め付けることが出来ません。
ギアを入れて、ブレーキを目いっぱい踏んでも無駄でした。
インパクトレンチで締め付ける方法もありますが、規定トルクで締め付けることが出来ないことには変わりありません。
クランクプーリー外し以上に、締め付けも頭を悩ませる問題です。
クランクプーリーを固定する専用工具があれば取り付け・取り外しが安心なのですが…。
ハスコー CP-93MS クランクプーリーホールドレンチ/両口(三菱・日産軽自動車専用)
クランクプーリーにはVベルトを掛ける溝があるので、これを利用します。
クランクプーリーにVベルトを掛け、なるべくプーリー側に寄せて結束バンドで結びます。
もう一方をアイドラプーリーを通してパワステオイルポンプに掛けて…。
クランクプーリーを回していくと、プーリーにベルトが巻き付いていってクランクプーリーが固定され、クランクプーリーを締め付けることが出来ます。
クランクプーリーの締め付けトルクは123N・m。
ただ、締め付けトルクが大きいので、アイドラプーリーとパワステオイルポンプが持ちこたえるかどうか不安になります。
破損覚悟で作業しているのが現状です。
最後の総仕上げ
Vベルトを取り付け、その他外したものを付け忘れていないか良く確認。
クーラントを入れ、エンジンを掛ける前にバランサーシャフトの回り止めを外します。
エンジン始動後はクーラントのエア抜きが必要です。
冷却水の注入はクーラント交換を参照。