ウォーターポンプ交換
タイミングベルト交換と同じ工程
ウォータポンプは、エンジンで発生した高温の熱を吸収し、ラジエーターで熱を外部に放出させるための冷却水をエンジン内に循環させるための装置です。
エンジン本体に組み込まれている場合が多く、交換するにはタイミングベルトを外す工程まで行うため、タイミングベルト交換時に同時交換することが一般的です。
ここで解説しているエンジンは3G83です。
3G83エンジンが搭載されている車は、ミニカ、トッポ、トッポBJ、ミニキャブ、タウンボックスの他に、日産のオッティ、クリッパーがあります。
ウォーターポンプ交換の参考になれば幸いです。
クーラントを抜く
ウォータポンプは冷却水循環経路のど真ん中にあり、そのまま外してしまうと周辺にクーラントをぶちまけてしまうため、クーラントを抜きます。
ラジエーターのドレンコックは、ラジエーター裏の下にあるプラスチック製の蝶ねじになります。
慣れれば、前から手を突っ込んで手探りでコックを回せます。
クーラントが流れ落ちてくるので、バケツをラジエーター下に置いて受けます。
クーラントはフレーム内を伝って下の穴から出て来ます。
ドレンコックを全開にすると、そこら中からダダ洩れしてくるので、ほどほどに開いてちょろちょろ落としましょう。
エンジンをかけた直後なら火傷に注意。
ドレンから落ちてくるクーラントは、ラジエーターにある量だけで約2リットル程度です。
エンジンブロック内には、まだ同等量のクーラントが残っています。
ナンバープレートを外して中を覗くと、エンジンブロックにクーラント排出用のめくらネジがあり、これを外すことでエンジンブロック内に残るクーラントを抜くことが出来ます。
すぐ下にあるめくらネジは、バランサーシャフト固定用のモノなので間違えないように。
タイミングベルトを外す
タイミングベルトを取り外す工程まで全く同じ作業になります。
正直、ここまでの作業の方が大変です。
ここまでの取り外しの詳細はタイミングベルト交換 ①を参照。
タイミングベルトを外さなくてもウォーターポンプ交換は出来ますが、隣にはテンショナーが取り付けられていて、クーラントで濡れてしまう可能性があります。
さらに、後述するガスケット剥がしでバックプレートが邪魔になるので、丸ごと外した方が良いかもしれません。
私はタイミングベルト交換と同時に交換しているので、ベルトその他の部品を外しました。
タイミングベルトを外す場合はタイミングベルト交換 ②を参照。
オルタネーターとクランク角センサー移動
ウォーターポンプは、オルタネーターの取り付けステーも兼ねています。
ウォーターポンプに止められているオルタネーターを固定している12ミリボルトを外して、オルタネーターを引き上げ、奥へ移動させておきます。
外すウォーターポンプの直下にはクランク角センサーがあります。
電装品なので濡れて破損すると厄介です。ボルト2本を外してエンジン上に避難させておきます。
このセンサーが壊れると、コンピューターが点火時期を制御できなくなるためエンストします。
ウォーターポンプを外す
ウォーターポンプの10ミリボルト5本を外していきます。
取り付け箇所によってボルトの長さが違うので、外したボルトの長さの違いに注意です。
ボルトをすべて外しても、ウォーターポンプはガスケットのせいでベッタリ貼り付いています。
プラハンで軽く叩くと外れます。
外れるとコップ1杯分のクーラントが出てくるので、下にタオルを添えて水浸しになるのを防ぎます。
交換は2回目なので知っていましたが、外したウォーターポンプ取り付け口からエンジンの中まで錆だらけになっています。
車検証にあった整備記録簿を見ると、前のミニカのオーナーは4年間クーラント交換をした形跡がありませんでした。
格安車検に任せっきりで、細かいメンテナンスがおろそかになった結果がこれです。
外したウォーターポンプは少し錆びていましたが、ベアリング部分には問題ありませんでした。
クーラントは車検毎に交換していて冷却水の管理はしてきたつもりですが、10万キロオーバーの使用では、やはり錆の発生を抑えることが出来ていません。
タイミングベルトだけ交換してウォーターポンプを交換しないメニューもありますが、ここからあと10万キロ持つとは思えないので、タイミングベルトと同時交換する方が良いと思います。
ガスケット剥がし
一番時間がかかると言われる作業が、ウォーターポンプ取り付け面のガスケット剥がしです。
最初は100均のスクレーパーを使っていたのですが、一向に埒が明かないので刃先の鋭利なスクレーパーに変えてみると嘘のように簡単に剥がすことが出来ました。
ガスケット剥がしが大変なのはよく聞く話ですが、使用するスクレーパーに問題があるような気がしました。ここは、高性能のスクレーパーにしないと時間の無駄です。
ウォーターポンプ取り付け
新しく取り付けるウォーターポンプはGMB製で、紙製のガスケットが付属しています。
ガスケットは取り付け面に沿ってカットされていて、説明書には「両面に液体ガスケットを塗布してウォータポンプに取り付ける」ようあります。
前回交換したアイシン製のウォーターポンプは液体ガスケットを使う必要は無かったはず…。
実際、取り付けてから15万キロ走っても水漏れは起こりませんでした。
前回使用したガスケットとは明らかに材質が異なるため、そのまま取り付けると水漏れを起こすのだと思います。
ここは、おとなしく説明書通りに取り付けます。
取り付けるボルトの長さに注意して、ウォーターポンプを取り付けます。
エンジンとポンプの間にガスケットが正しくセットされているか確認しながら、均等にボルトを締め付けていきます。
社外品を使えば純正品の約半分の値段で済みます。
耐久性も純正品と同等のはずで、10万キロ走行後にはまた取り換えることになるので基本、消耗品の類は社外品を使っています。
ウォーターポンプから水漏れが発生した場合、水漏れ箇所が取り付け面からならば、純正品のガスケットに交換した方が良いかもしれません。
プーリー回転軸からの漏れならばウォーターポンプごと交換になります。
クーラント注入&もとに戻す
外した部品を逆の手順で取り付けていきます。
タイミングベルトを取り外している場合、取り付け作業の詳細はタイミングベルト交換 ④を参照。
最後に冷却水を入れてエア抜きすれば終了です。
詳細はクーラント交換を参照。