軽自動車DIY整備記録

現在使用しているスバルGF-RA1プレオ、かつての愛車ミツビシH42ミニカの整備記録と日常DIY生活の紹介です。

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1人ブレーキフルード交換

要定期交換

ブレーキフルードは、液圧式ブレーキシステム内に充填する液体です。

いわゆるブレーキオイルのことで、グリコール系、シリコン系、鉱物油系の3種類があります。
一部の車を除いて、一般的な車ではグリコール系のブレーキフルードが使用されています。
ここでは、グリコール系のブレーキフルードについて取り扱います。

グリコール系のブレーキフルードの主成分はエチレングリコールで、吸湿性が高いため徐々に空気中の水分を吸収していきます。
それに伴い性能が低下していき、要求された性能を維持できなくなります。

ブレーキフルード交換時期の判断方法は2つ。

  1. 色の変化
    劣化するに従いフルードの色が透明→黄色→茶色と変化していきます。
    茶色に変色していると、ブレーキの配管内に問題が発生している可能性が高いです。
    黄色の状態での交換が一般的です。
  2. 使用年数
    2~3年での定期的な交換が推奨されています。
    時期が丁度重なるので、車検毎での交換が一般的です。

また、フルードに吸収された水分は、配管内やその他の部品をサビさせてしまいます。
ホイールシリンダーやピストンが錆びてしまうと、ブレーキが正常に作動することが出来なくなり、部品を丸ごと交換することになります。
ブレーキフルード交換を怠った結果 ホイールシリンダーに発生したサビ

ブレーキフルード交換を怠ると、少なからぬ出費を払うだけでなく、重大な事故につながります。
経年劣化によって低下する性能が様々なトラブルを引き起こすため、2~3年での定期的な交換が必要になります。


ブレーキフルード交換作業は基本2人で行うのが普通です。
1人はブレーキのブリーダープラグの開閉とリザーバータンクへのフルード補充を担当し、もう1人は運転席に座ってフットブレーキの踏み込みを担当します。

1人がブリーダープラグの開閉を担当することで、ブリーダープラグから排出されるフルード内の気泡の有無を常時確認できる大きなメリットがあります。

今までは、助手にフットブレーキを踏んでもらいながらのフルード交換作業を行ってきました。
今回は助手を使わない、1人でのブレーキフルード交換作業にトライしてみました。

ブレーキフルードの種類

ブレーキフルードの規格には沸点の違いによってDOT3からDOT5まであります。
沸点とは液体が沸騰する時、つまりブレーキフルードが気体になる時の温度のことです。
ドライ沸点とは新品状態である吸湿率0%での沸点、ウエット沸点とは1~2年使用した状態に相当する吸湿率3.7%での沸点になります。

DOT3が1番沸点が低く、数字が大きくなるほど沸点が高くなります。
つまり、DOTの数字が大きいほど性能の高いブレーキフルードであるということになります。
DOT5.1のブレーキフルードは寒冷地やレースなどで使用されていて、あまり馴染みがありません。

ブレーキングによってフルードの温度が高くなり、沸点を超えるとフルードが気化するため配管内に気泡が生じ、ブレーキを作動させるための圧力が得られなくなるため、ブレーキが効かなくなる”ペーパーロック現象”と呼ばれる危険な状態になります。

したがって、メーカー指定のDOT数以上のブレーキフルードを使用することになります。

どの規格のブレーキフルードを使用するかは、メンテナンスノートに記載されています。
要は、沸点を超えなければよいので、DOT3指定の車にDOT4を使用するのは問題ありませんが、逆にDOT4指定の車にDOT3を使用するのは不可になります。

プレオのブレーキフルードはDOT3が指定されているので、わざわざ指定通りのブレーキフルードを使用しましたが、DOT4でも問題ありません。

使用するブレーキフルードは、DIYメンテナンスするようになってからは、KYKのブレーキフルード以外のモノを使ったことがありません。

KYK 古河薬品 ブレーキフルード BF-4

入手しやすく価格も手ごろ。
容量が1000mLあるので、フルード交換中に不足する心配もありません。

ブレーキブリーダーホース自作

配管内はブレーキフルードで満たされた状態でなければならず、空気が混入していると、踏み込んだ力が空気の圧縮に使われてしまうためブレーキ効かなくなり、「エア噛み」と呼ばれる非常に危険な状態になります。

そのため、ブレーキフルード交換の際は、ブレーキライン内の空気を排出する「エア抜き」作業も同時に行うことになります。

古いブレーキフルードは、前後ブレーキに取り付けられているブリーダープラグから排出します。
ここにシリコンチューブを取り付け、プラグを開放してフットブレーキを踏むと、圧力によって配管内にあるブレーキフルードが押し出されます。

ただし、フットブレーキを戻した瞬間、配管内の圧力が低くなるため、チューブに排出したブレーキフルードが逆流してくる可能性があります。
これを防ぐため、チューブに逆流防止弁を取り付けてフルードの逆流を防ぎます。

ワンウェイバルブ STRAIGHT/19-587

逆流防止弁はワンウェイバルブとも呼ばれ、刻印されている矢印の方向には流しますが、逆方向には流れない仕組みになっています。

1mの専用シリコンチューブを2本にカットして、ワンウェイバルブに取り付けます。

シリコンチューブφ4X8(mm) X1M STRAIGHT/36-2501

ブリーダープラグからワンウェイバルブ吸入側までのシリコンチューブは、隙間から空気が入らないように、ワンウェイバルブ付属のクランプでしっかりロックします。
また、これはブリーダープラグからチューブが抜けるのを防ぐ役目も担います。

排出口のシリコンチューブの先には、古いブレーキフルード排出用の容器を取り付けておきます。
500mlのペットボトルが手ごろだったので、フタに穴をあけてシリコンチューブを通しました。

同様のものが製品として市販されています。

AP ワンウェイバルブ ブレーキブリーダーホース

ブレーキブリーダーボトル STRAIGHT/19-589

フルード交換の交換順序

ブレーキフルードの交換順序には諸説あります。
要はブレーキラインにエアが混入しなければよいので、実際には交換順序は無いと思います。

ただ、ブレーキフルード交換はブレーキマスターシリンダーから配管の長い順に交換していくと言う定説があって、個人的にはこれを踏襲しています。

右ハンドルの車の場合、マスターシリンダーはエンジンルーム内のハンドル側(向かって左側)にあるので、マスターシリンダーから遠い順に、左後輪→右後輪→左前輪→右前輪と交換していくのが正しいと言われています。

ところが、実際に車の下に潜って配管を辿ってみると、車両前方からの左右配管は中央より左側を通り、そこから左右に分岐されていて、後輪は右側の方がはるかに長くなっていました。

これは車の設計によるもので、後輪の配管の長さは、実際に自分の車の下を覗いて確認する必要があります。
したがって、私の車のブレーキフルードの交換順序は、右後輪→左後輪→左前輪→右前輪と言うことになります。

後輪のフルード交換

ブレーキフルード交換作業はジャッキアップしてタイヤを外した方が楽です。
詳細はジャッキアップ参照。

あらかじめ、リザーバータンクからブレーキフルードをある程度抜き取っておきます。
ただし、リザーバータンク内のブレーキフルードを空にすると配管内にエアが入ってしまうので、リザーバータンク内のブレーキフルードは空にしないように注意します。

抜き取らなくても、ブリーダープラグから古いフルードを排出させれば問題ありません。
ブレーキフルードが塗装されている部位に付着すると塗装が剥がれるので、リザーバータンクにはタオルを巻いてフルード付着を防ぎます。

右後輪から交換作業に取り掛かりましたが、画像は左後輪のものです。

後輪のブリーダープラグは、ドラムブレーキのバックプレート裏にあります。
ブリーダープラグのサイズは8ミリ。ブリーダープラグを緩めるため、メガネレンチが必要です。
最初にメガネレンチをセットして、自作ブレーキブリーダーホースをブリーダープラグに取り付けます。

外部から空気が入らないようにするため、チューブはクランプか結束バンドで固定しておきます。
ブリーダープラグからワンウェイバルブまでの間のチューブの気密は厳重に行います
作業中にチューブが抜けてしまうと、逆流してエアがブレーキラインに混入するだけでなく、周辺にブレーキフルードをぶちまけてしまいます。

ブリーダープラグから出たシリコンチューブは、一旦、上に配置させてからペットボトル内まで伸ばします。
これは、ブリーダープラグからチューブ内に出たエアを上方に上げることによって、エアの逆流を少しでも防ぐためです。

ブリーダープラグを緩める前に、フットブレーキを何度か踏んで配管内に圧力をかけます。
さらに、角材でフットブレーキを固定して、常に圧力がかかった状態にします。

シートを前に移動させて角材を固定させているので、シート破損防止に布を挟んでいます。
また、これからフットブレーキを踏む作業が続き、ブレーキランプが点灯し続けるので、あらかじめ運転席下のヒューズボックスからヒューズを抜いておくとバッテリーの消耗を防げます。

ブリーダープラグをゆっくりと緩めていきますが、緩める角度は必要最小限に留めておきます。
緩め過ぎるとブリーダープラグの隙間からエアが混入します。

ブリーダープラグを緩めた瞬間、古いブレーキフルードがシリコンチューブに排出されます。
運転席に戻ってフットブレーキを踏むので、ブリーダープラグが一気に緩むことのないように、テープ等でメガネレンチを固定します。
緩めなければフルードが排出できず、緩め過ぎればエアが混入するため、ブリーダープラグの緩め具合は非常に重要です。

運転席に戻り、フットブレーキを数回踏み込みます。
踏み込んだ回数分だけ、緩めたブリーダープラグからフルードが排出されます。

緩めたブリーダープラグからは、古いブレーキフルードが排出されていきます。
最初に排出されるフルードは、古いため黄色に変色していますが、次第に透明なフルードに変わっていきます。

ブリーダープラグから排出されたブレーキフルードの量だけ、リザーバータンク内のブレーキフルードが減っていくので適宜注ぎ足していきます。
リザーバータンク内のブレーキフルードは絶対に切らさないこと。
空にしてしまうとリザーバータンク側から配管内にエアが入ってしまうため、作業を最初からやり直すことになります。

シリコンチューブ内のエアは1番高い所に溜まります。
画像のチューブ内のエア部分は排出前からチューブ内にあったもので、これだけのエアが配管内にあったとすれば、ブレーキの踏み心地はフカフカ状態になるはずです。
フルードの色が黄色の状態から透明に変わるまでフットブレーキを踏み続けます。

ブレーキフルードの色が透明に変わっても、時折気泡が出てくることがあります。
この気泡が配管内から出てきたモノなのか判断できないのが、1人ブレーキフルード交換の欠点でもあります。
直径1ミリに満たない大きさの気泡ですが、出て来なくなるまでしっかり排出しました。
ブリーダープラグからワンウェイバルブまでのシリコンチューブ内に気泡が無ければ、フルード交換とエア抜きは完了したと判断しました。

ブリーダープラグを締める前に、つっかえ棒でフットブレーキを踏み込んだ状態にします。
ここは、2人作業だと踏んでもらえるので楽なのですが…。

ブリーダープラグを締めて1輪のフルード交換とエア抜き作業終了です。
ブリーダープラグの締め付けトルクは10N・m位ですが、この値で締め付けられるトルクレンチが無いので、緩める前の位置まで戻しました。ネジが破損するので締め付け過ぎは禁物です。

前輪のフルード交換

前輪はブレーキキャリパーになっていますが、ブレーキフルードの交換要領は同じです。
ブリーダープラグが取り付けられているので、自作ブレーキブリーダーホースをセットします。
ブリーダープラグのサイズは10ミリになっていました。

①フットブレーキを数回踏み込み、つっかえ棒をして配管内に圧力を加える。
②ブリーダープラグを緩め、運転席に戻りフットブレーキを数回踏み込む。
③リザーバータンクにブレーキフルードを継ぎ足す。
④チューブ内のブレーキフルードが透明になり、気泡が出なくなるまで②③を繰り返す。

最後に、つっかえ棒でフットブレーキを踏み込んだ状態にして、ブリーダープラグを締めます。
前後4輪すべてに同様の作業を行えば、フルード交換作業は完了です。

ブレーキフルードが付着しているので、作業終了後は自作ブレーキブリーダーホースをバラして、使った工具と一緒に水で洗い流します。
ブレーキキャリパーは塗装されていませんが、ドラムブレーキのバックプレートは塗装されているので、水やパーツクリーナーで洗い流しておきます。

使用したブレーキフルードの量は500mL位なので半分余ります。
残りは、缶のフタをきつく締めて暗所に保管しておけば、経験上、1年くらいは問題なく使用できます。
ブレーキのオーバーホールをした時は、次のフルード交換までのスペアとして使っています。


シリコンチューブ内に気泡が全く残らない状態までフルードを排出したので、エアの混入は無いと思います。
交換後も問題なく走行出来ていますし、完璧に交換出来た自負はありながらも、ブリーダープラグから排出されるブレーキフルードの状態を直接目視出来ないので若干の不満が残ります。

プレオ整備記録

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