検査コース
車検場へ行く前に
これまでにユーザー車検に向けて準備してきました。
いよいよ車検当日。
自宅を出発する前に、持って行くものを確認します。
以下のモノは最低限必要です。
- 車検証
- 使用者(=自分)の印鑑
- 軽自動車税(種別割)納税証明書
- 自賠責保険証(加入している場合)
- 現金
車が検査を受けられる状態にしておきます。
現地でも何とかなりますが、ホイールカバーや積荷を検査場に放置するのは如何なものかと…。
- リアシートベルトのバックルは出しておく
- ホイールカバーは外す
- 発煙筒の有効期限の確認
- 余計な荷物は降ろす
ランプ切れ等の軽微な整備なら現地でも交換可能なので、レンチやドライバー程度の工具は持って行っても良いかもしれません。
ドライブレコーダー、カーナビなどの後付け電装品は、メーカ指定通りの取り付け場所に設置されていれば、取り外す必要はありません。
検査場で検査官に尋ねたところ、視界を大きく妨げなければ問題ないとのことでした。
指摘された時は諦めて外しましょう。
継続検査の受付
朝一番の1ラウンドに予約を入れました。
検査開始時間は9時からですが、受付は15分早いので8時45分ピッタリに到着しました。
ユーザー車検専用の窓口があるので、必要書類一式を提出します。
車検証に印刷されているQRコードを読み取るだけです。
予約時に発行された受付番号は必要ありませんでした。
提出した書類一式に加えて、継続検査申請書・軽自動車検査票・自動車重量税納付書、さらに書類の書き方と各料金の納付場所が記載されたプリントを渡されます。
継続検査申請書と軽自動車検査票に必要事項を記入します。
プリントに記載されている窓口へ行き、申請手数料1400円を支払います。
ユーザー車検専用の窓口へ戻り、書類一式を確認されて受付けは終了です。
ユーザー車検が初めての人や勝手の分からない人は、窓口で申告すれば「誘導」と書かれたカードを渡してくれます。
カードをダッシュボード上の外から見える場所に置いておけば、検査場で検査官が横に付いてくれてサポートしてくれます。
検査コースは自由に見学することが出来ます。
検査を受ける前に見学して、それぞれの検査内容を把握しておけばスムーズに受験できます。
検査コースのながれ
乗車人員は1名、つまり運転者のみです。
入場前にホイールカバーは外しておき、ラジオ等は消しておきます。
コースは2つあり、不慣れな人は1コースに並ぶように指定されていました。
何回か検査を受けているのですが、2年も経つとすっかり忘れているので1コースに並びます。
前の車は外観検査を受けている最中です。
隣の2コースでも屋外の車の外観検査が行われています。
継続検査は大きく7段階に分けられています。
以下の解説は、「ドライバーの行動」と「検査内容」に分けて説明しています。
地域によっては、検査の順序が前後する場合がありますが、検査内容は同じです。
①同一性の確認・外観検査
コースに入場して検査が始まります。
ここからは検査官の誘導・指示に従って車を操作していきます。
エンジンを停止し、車を降りてボンネットを開けます。
検査官がエンジンルーム内を見回し、車を1周した後、車内を見回します。
ドライバーは外に立ったまま、検査が終わるのを待つだけです。
検査が終われば、ボンネットを閉めて車に乗ります。
検査内容
- 車体番号、原動機型式および車両番号(ナンバー)等
車体番号は車の個体を識別するための番号で、エンジンルーム内に取り付けられたコーションプレートに刻印されています。
車体番号、原動機型式(エンジン型式)、車両番号(ナンバー)等が車検証に記載されたものと一致しているか確認します。 - エンジンルーム内
ブレーキオイル、冷却水、バッテリー液等の検査を行います。
エンジンルーム内を一瞥されるだけで、どの程度厳密に検査されているかは不明です。 - 外観の損傷状態
ボディ・バンパー・ガラス等の損傷状態を検査します。
ボディとバンパーは大きく変形していなければ問題ありません。
バンパーが外れかかっていたり、ガムテープで留めてある等はダメです。
ガラスに小石が当たった程度の傷は問題ありませんが、割れていたり、ヒビが入っていたりしたらダメです。
ヘッドランプ・方向指示器ランプ・ブレーキランプのヒビ割れ程度は大丈夫ですが、カバーが欠けてしまって中のバルブの光が見えてしまうとダメです。
その他、外観検査は多岐に渡るため、事例を挙げるとキリがありません。 - ナンバーランプ
ナンバーランプの玉切れを検査されました。最後の下回り検査で行われそうですが…。 - 室内検査
警告灯の玉切れ、シートおよびシートベルトの状態、サイドブレーキの引きしろ、発煙筒の有効期限、等々の検査。
② 排気ガステスタによる検査
エンジンを始動させて進んでいくと、排気ガステスタの機器が置かれています。
プローブ(検査棒)を排気管に挿し込むため、検査官の誘導に促されるまま車を進めていきます。
待機の表示がある停止線で停止させ、駐車ブレーキをかけ、車を降ります。
そのまま車の後ろへ回り、プローブを持って排気管に挿し込みます。
暫くすると検査結果が表示されるので、記録機に検査票を入れて記録します。
記録後は検査票を持って乗車し、次の検査に備えます。
検査内容
- 排気ガス濃度
排気ガスに含まれる一酸化炭素(CO)と炭化水素(HC)の濃度を測定します。
判定基準
4サイクルの自動車 CO:2.0%以下、HC:500ppm以下(平成10年規制前は4.5%以下、1200ppm以下)
2サイクルの自動車 CO:4.5%以下、HC:7800ppm以下
③ サイドスリップテスタによる検査
表示が「待機」から「進入」へ変わったらゆっくりと進んでいきます。
ハンドルを切らずに前方に見える踏板(テスタ)上を通過するだけです。
検査内容
- サイドスリップ
ハンドルを切らないで直進した時の、左右にずれる距離(横滑り量)を測定します。
車が1m直進した時の横滑り量がイン・アウト5mm以下
④ スピードメータテスタによる検査
サイドスリップテスタを通過し、そのまま前方にあるスピードメータテスタに4輪を乗せます。
段差があるので初めての時はちょっと怖いかもしれません。
近くに検査官がいるので、誘導をお願いすると良いでしょう。
ヘッドライトテスタが、右ヘッドライト前まで移動してきます。
ここから先は、表示器に車の操作に関する指示が表示されます。
表示に従って車を走らせますが、4輪はテスタ上に乗っているので車は前には進みません。
スピードメータを見て、40km/hになったら1~2秒ほどパッシングします。
合格ならば○、不合格ならば×と表示されるのでブレーキを踏み停止させます。
検査内容
- スピードメータの誤差
スピードメーターが40km/hを指している時の、実速との誤差を測定します。
平成19年1月1日以降製造された自動車は31.0km/h~42.5km/h
平成18年12月31日以前製造の自動車は31.0km/h~44.4km/h
⑤ ヘッドライトテスタによる検査
テスタに乗った状態からヘッドライト検査に移ります。
車を移動させる必要はありません。
駐車ブレーキをかけて、ギアをニュートラルにします。
表示に従ってヘッドライトを点灯(ロービーム)させます。
前方にあったヘッドライトテスタが右ヘッドライト→左ヘッドライトと移動して検査します。
合格ならば○、不合格ならば×と表示されるので駐車ブレーキを戻します。
検査内容
- ヘッドライト光度
光度測定点において6400cd以上 - ヘッドライト光軸
エルボー点の位置:
左右とも27cm以下
水平面から下方2cmから15cmの間(照明部中心高さ1m超は下方7cmから20cmの間)
平成10年8月31日以前製作車は走行用前照灯(上向き)で測定
⑥ ブレーキテスタによる検査
テスタに乗った状態からブレーキ検査に移ります。
車を移動させる必要はありません。
ギアがニュートラルにあり、駐車ブレーキがかかっていないか確認し、フットブレーキから足を放します。
検査項目は「フットブレーキ検査」と「駐車ブレーキ検査」の2つです。
ブレーキテスタが4輪を回転させるので、表示に従ってフットブレーキを強く踏みます。
合格ならば○、不合格ならば×と表示されるのでフットブレーキから足を放します。
続いてブレーキテスタが後輪を回転させるので、表示に従って駐車ブレーキをかけます。
合格ならば○、不合格ならば×と表示されるので駐車ブレーキを戻します。
検査内容
- フットブレーキ
制動力の総和は車両重量の50%以上
左右の制動力の差は軸重の8%以下 - 駐車ブレーキ
後車輪の制動力の和は後軸重の10%以上
駐車ブレーキの制動力の総和は車両重量の20%以上
⑦ 下回り検査
検査官の誘導に従って、前方にあるリフトまで車を移動させます。
車がリフト中央に乗ったら、検査官の指示に従って駐車ブレーキをかけ、AT車の場合はギアをPレンジにします。
検査官に書類一式を渡し、指示に従って操作を行います。
この検査中に点検整備記録簿の提示を求められます。
操作は以下の通りです。
- ポジションランプ点灯
- ヘッドライト点灯
- ハイビーム点灯
- 左右方向指示器点灯
- ハザードランプ点灯
- フットブレーキを踏んでブレーキランプ点灯
- ギアをリバースに入れて後退灯を点灯
- ウォッシャー液を出してワイパーを動かす
- ホーンを鳴らす
検査内容
- ポジションランプ
- ヘッドライトの色
- 左右方向指示器
- ハザードランプ
- ブレーキランプ
- バックランプ(後退灯)
- ワイパー・ウォッシャー液噴出装置(フロントのみ)
- ホーン(警笛)
ハンドルを左いっぱいに切り、エンジンを停止させます。
リフトが上昇して、以後、前にある画面に表示される指示に従ってハンドルを操作します。
操作は以下の通りです。
- ハンドルを左右に大きく振る
- ハンドルを右いっぱいに切る
- ハンドルを左右に大きく振る
- ハンドルをゆっくり元に戻す
- フットブレーキを踏む
- フットブレーキを放す
車の下では下回りの検査が行われていて、常時「コンコン」と打音検査の音がしています。
検査内容
- オイル漏れ
- ブーツの破損・グリス漏れ
- 燃料漏れ
- ステアリング回り
- ブレーキ回り
- 各部ボルトのガタつき
- フレームの状態
- マフラーの状態
- タイヤの状態
以上で全ての検査が終わりました。
コースに入場してから終わるまでの時間は約15分でした。
リフトが下りると、検査官が書類一式を返してくれます。
検査票には検査結果が記録されていて、全て合格ならば書類を受付に提出するよう促されます。
いずれかの検査で不合格だった場合は、その箇所を指摘されて修理してくるように言われます。
合格・不合格にかかわらず、そのまま検査場から出ます。
検査不合格の場合
不合格だった場合、不具合を指摘された箇所を修理して再検査を受けることになります。
ランプ切れ等の軽微な交換作業ならば、自分で交換して再検査を受ければ済みます。
自分で交換できなければ、最寄りの修理工場やカー用品店に行って依頼すれば良いでしょう。
サイドスリップやヘッドライト光軸の検査で不合格になった場合、当日中に自分で調整することは困難だと思います。
車検場近くに通称「テスター屋」と呼ばれる予備車検場があるので、数千円の費用はかかりますが、車を持ち込んで調整してもらうのが賢明です。
指摘された箇所を修理したら、車検場に戻って再検査を受けます。
再検査は不合格になった検査のみ行い、すでに合格した検査については受ける必要はありません。
合格した検査は通過するので、検査場に再入場する時は再検査であることを検査官に伝えます。
注意事項として、検査当日に1回の検査申請で検査コースに入場できる回数は3回までとされています。つまり、初回検査で不合格になった場合、あと2回まで再検査を受けることができます。
検査当日に4回以上入場する場合は、限定自動車検査証の交付を受け、検査手数料1200円を納付します。
当日中に修理して再検査できない場合は、限定自動車検査証の交付を受ければ、翌日以降に不適合箇所だけ再検査を受けることが出来ますが、検査手数料が1200円かかります。
限定自動車検査証の有効期間は検査を受けた日から15日間です。
つまり、15日以内に修理して再検査を受けなければ、更に面倒なことになるということです。
15日を過ぎてしまった場合は、限定自動車検査証の有効期間も切れてしまっているので、無車検となり、公道は走れません。
あくまでもユーザー車検を受けるなら、レッカー車を使うか仮ナンバーを申請することになります。
しかも、再検査扱いではなく、最初から検査を受けることになります。
不具合のある箇所が、修理に時間を要するようであれば、さっさと修理工場に持ち込んで、限定自動車検査証の有効期間内に修理して再検査を受けた方が得策です。
車検証の交付
検査に合格したら書類上の手続きを行います。
自賠責保険の窓口へ行き、新しく自賠責保険に加入します。
保険会社は何社か選べるようになっていて、どこの保険会社にするか尋ねられます。
自賠責保険にすでに加入していれば、この行程は必要はありません。
重量税の窓口へ行き、自動車重量税納付書に書かれている金額を支払い、印紙を購入します。
納付書だけを見せればよいのですが、分からなければ書類一式を渡せば印紙を出してくれます。
購入した印紙は、自動車重量税納付書の所定箇所に貼り付けます。
ユーザー車検の受付に戻って、書類一式を提出します。
提出書類
- 車検証
- 継続検査申請書
- 軽自動車検査票
- 自動車重量税納付書
- 軽自動車税(種別割)納税証明書
- 現在の自賠責保険証
- 新しい自賠責保険証
5分もすれば、新しい車検証と車検ステッカーが交付され、新旧の自賠責保険証と軽自動車税(種別割)納税証明書が返還されます。
継続検査手続きは一発合格すれば1時間で終了できます。
返還された書類のうち、新しい車検証と自賠責保険証は次の車検まで、現在の自賠責保険証は有効期限までダッシュボードに保管します。
フロントガラスから古い車検ステッカーを剥がし、新しい車検ステッカーを貼り付けます。
車検ステッカーは、前の車検ステッカーに記載されている有効期限までに貼り換えます。
ユーザー車検にかかった費用
今回のユーザー車検にかかった費用の内訳は以下の通りです。
法定費用
- 自動車重量税 8800円
- 自動車損害賠償責任保険(24か月) 21140円
- 申請手数料 1400円
整備費用(部品代)
- エアエレメント交換 2230円
- スパークプラグ交換 1770円
- スタビライザーリンク交換 2250円
- ホイールシリンダー・カップおよびブレーキキャリパー・シールキット交換 2677円
- パワーステアリングオイル交換 1430円
- ブレーキフルード交換 1089円
- クーラント交換 968円
法定費用 31340円+整備費用 12414円で総額 43754円でした。
親戚から貰った20年前の車なので、ガッツリ整備したこともあり、整備費用がかさんでしまいました。
今回はタイヤ交換しなくて済んで良かった…。