配線モールでケーブル整理
雑多なケーブル
家電製品が増えると、いつの間にか増えてきて邪魔になるのが各種ケーブル類。
特にテレビの同軸ケーブルは太い上に硬いため曲げにくく、取り回しには苦労します。
わが家の同軸ケーブルは、アンテナから屋外を通って1階の室内に引き、さらにそこから天井裏を通って2階まで引いています。
ケーブルの長さが20mと長く、受信した電波の減衰を防ぐためS-5C-FBを使用しています。
これに加えて、インターネット回線のLANケーブルも引いているため、1階の部屋はケーブルが邪魔で仕方ありませんでした。
家具の配置換えを行ったので、その他諸々のケーブル類を整理し、ついでに同軸ケーブルとLANケーブルを綺麗に配線することにしました。
配線の種類
代表的なケーブル配線方法は以下の通りです。
①配線釘
- 古い家屋では普通に使われていました。わが家でも柱に打ち付けられています。
現在でも使われていますが、柱や壁に打ち込むため家に傷が付いてしまい、最近の新築の家屋ではあまり使われていないと思います。
②ケーブルフック
- 100円ショップで、大きさに応じて3~4種類のモノが販売されていて、最も安価な方法です。
ただし、柱に沿って鉛直方向に這わせていく場合は非常に有効ですが、水平方向に這わせていく場合は重さでケーブルが垂れ下がってしまうため、見た目が悪くなってしまいます。
- 専門メーカーから工夫を凝らした製品が販売されています。
はめ込み部分がケーブルの断面に合わせてあり、ケーブルフックよりもしっかり固定することが出来るため、水平方向への配線がやり易くなっています。
③配線モール
- ケーブルカバー、ケーブルモール、配線カバー等の名称で呼ばれています。
プラスチックのカバーでケーブルを覆って室内を這わせていくので、見た目が1番スッキリする方法でしょう。
モールの色も、メーカーから様々なバリエーションが用意されていて、室内の配色に合わせた色を選択することが出来ます。
壁を這わせるタイプの他に、床に敷くタイプのものがあり、こちらはオフィス等でカーペット下に設置されているため、目にする機会は少なくなります。
配線するケーブルは、直径8ミリ弱の同軸ケーブルS-5C-FB1本と、インターネット回線のLANケーブル1本の計2本になります。
配線釘を使ってケーブルを這わせていく方法は、ある程度の熟練が必要である上に、これ以上家の柱にダメージを与えたくなくなかったので却下しました。
実は、最初にケーブルフックを試したのですが、水平方向に配線していくと、ケーブルが自重で垂れ下がってきてしまい断念しました。
どちらの方法も、水平方向に真っすぐ配線することが困難でした。
余程、天井に穴を開けて天井裏に這わせようかとも思いましたが、天井裏が狭かったため、これも断念。
配線モールを使う
水平方向への配線が3mと長いこと、屋内のケーブルが見えなくなること、ケーブル交換が簡単であることの3つの点を考慮して、若干費用がかかりますが、配線モールを使うことにしました。
配線モールは、様々なカラーバリエーションが各メーカーから販売されていますが、サイズの表示は0~3号で表示されてるものが多くなっています。
また、長さのバリエーションは1mと2mに、それぞれ両面テープ加工されているものとされていないものを、必要に応じて自分で切断することになります。
切断は、カッターで切るには少し硬く、少々手こずると思います。
自分は手っ取り早く済ませたかったので、丸ノコを使って切断しました。
切断に自信が無い人には、はさみで切ることが出来る配線モールも販売されていて、気軽に取り組むことが出来ます。
自分が収納する同軸ケーブルのサイズは5Cなので、配線モールの大きさは2号になります。
設置するのは、天井に沿って水平方向へ3m強の長さになるので、木造の梁に合わせてブラウンのモール2mのモノを2本購入しました。
2号の配線モールは、5Cサイズのケーブルがピッタリ2本入るようになっています。
収納するケーブルは、5Cケーブルが1本とLANケーブルが1本なので、少し余裕がありました。
上からカバーをはめ込むことになるので、ケーブルの太さの異なる複数のケーブルを収納する場合は、ケーブルの太さを正確に測っておかないと、モールのサイズ内に収まらなくなります。
サイズはかなりシビアなので、大きめのサイズのモールを選ぶほうが良いと思います。
モールの長さ
壁や床に貼り付けるだけですが、モールの貼り付けについて注意する点は、ケーブルを曲げるコーナー部分の処理になります。
ケーブルは直角に折り曲げる事は出来ず、それぞれのケーブルの太さにに応じた許容曲げ半径が決められています。
基本、仕上外形(ケーブルの太さ)の4倍以上の曲げ半径で曲げることが決められていて、これより小さい半径で曲げるとケーブルが断線してしまう可能性があります。
5Cサイズのケーブルの場合、ケーブルの太さが7.7ミリなので、曲げ半径は7.7×4=30.8ミリになります。
モールは折り曲げることが出来ないので、コーナー部分は2本の直線状のモールで対応することになります。
その結果、コーナー部分のケーブルは剥き出しになるため、各メーカーでは、それぞれのケーブルの曲げ方に対応した接続ジョイントがラインアップされています。
余程特殊な曲げ方をしたケーブルでない限り、問題なくコーナー部分から見えるケーブルを覆い隠すことが出来、配線モールを使ったケーブル隠しの最大のメリットでもあります。
モールの貼り付けには、この接続ジョイントを考慮に入れたモールの長さに調整する必要があります。
2号デズミ 【ELPA MD-2H(BR) 家庭用配線 工事用配線 モール配線】
接続ジョイントは、貼り付けたモールの上からハメ込むだけで簡単に装着する事が出来ます。
ジョイントをモールにハメ込むための出しろが1cm弱必要になるため、接続ジョイントを使用する場合はコーナー部分から2cm強ほど離してモールを貼り付けます。
モールの貼り付け
いよいよモールを貼り付けていきます。
2mのモールを横に貼る付ける作業は、モールの自重で曲がってしまうので、マスキングテープなどで仮止めしてから作業するのが楽です。
1度にテープを全て剥がすと取り回しが大変なので、モールに軽く手を添えて、テープを下側に引きながら少しずつ貼り付けていきました。
最終作業で、コーナー部分に接続ジョイントをハメ込むので、上部に2mmくらいの隙間を開けておく必要があります。
画像でも、天井にピッタリ付けず、少しだけ隙間を作っています。
モールを貼り付け終えて、2本のケーブルを配線してみました。
遠くから見るとケーブルが真っ直ぐ配線できているように見えますが、近づいて見るとケーブルが曲がっていて、見た目が良くありません。
ケーブルを引っ張りながら、配線釘を柱に打ち込んでいくことで解決できそうですが、ケーブルにかかる負荷が大きく、LANケーブルが断線してしまうと思います。
モールにカバーをハメ込み、コーナー部分に接続ジョイントを取り付けました。
色の選択も大正解で、柱の色に見事に溶け込んでいます。
おかげで、部屋の雰囲気がスッキリしました。本格的にケーブル配線したい方にはオススメです。
モールの色は、ホワイト、グレー、ブラウンが主ですが、木目調の配線モールもあります。