軽自動車DIY整備記録

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CRATE VC508

真空管ギターアンプ

ヤフーオークションでCRATE製の真空管ギターアンプ「VC508」を入手しました。

「CRATE VC508」は、アメリカのアンプメーカーCRATEの”Vintage Club Serirs”の最小モデルとして1999年に発売された小型真空管アンプです。

日本の代理店は神田商会。最初の定価は42,000円でしたが、2000年に35,000円に価格改定されています。
CRATE VC508

今では、3万円も出せば小型の高性能真空管アンプを購入できる時代になりましたが、90年代に販売されていたオールチューブアンプは安いものでも8~9万円はしていました。

しかも、当時販売されていた自宅練習用の真空管アンプの出力は12W~30W。
フルボリュームにしてなんぼの真空管アンプは、とても家で弾ける代物ではありません。

当時は3~4万円のプリアンプ部のみが真空管仕様になっているハイブリッド・ギターアンプを弾いていたものです。

そんな中で、ギター雑誌の裏表紙に出力5W、価格4万円代の「VC508」の広告を見て以来、購入することなく生産完了してしまいましたが、どうも気になるアンプとして今に至りました。

ネット上にも詳しい情報が少ないこともあり、今回、動作チェックと掃除の軽メンテナンスを兼ねて、VC508について紹介したいと思います。

購入を検討されている方の一助になれば幸いです。

5W オールチューブアンプ

CRATE(クレイト)は、アメリカのセントルイス・ミュージックが1970年代から製造を行っているギターアンプの老舗ブランドです。

2005年にセントルイス・ミュージックがラウド・テクノロジーに買収され、現在、クレイト製のアンプは製造されていません。
2000年前後には雑誌の広告でよく見かけていたのを覚えています。

当時、特にクレイト製のアンプに興味があったわけではないのですが、「VC508」は低出力・低価格のオールチューブアンプとして私の興味を引きつけたものでした。


広告の謳い文句は以下のとおり

アンプの出力は5W。
5Wの真空管アンプが各メーカーから普通にラインナップされているこのご時世ですが、こんな低出力のオールチューブアンプは当時他になく、低出力・低価格アンプの先駆け的存在になります。

使用している真空管はプリアンプに12AX7が1本、パワーアンプにEL84が1本。
パワー管が1本なので、必然的にクラスA動作になります。

搭載されているスピーカーはセレッション製で、口径8インチ・許容入力15WのPG8A-15。
フェンダーの「StudioValve SV-20CE」にも搭載されていたスピーカーです。

コントロールパネルはアンプ上面に配置されていて、電源のOn/Offスイッチ、Gain、Tone、Levelのツマミの他にインプットジャック、ラインアウト端子があります。
CRATE VC508 のコントロールパネル

ラインアウト端子はY字ケーブルを使用することでエフェクトループとして使用可能です。

このことは取扱説明書には記載されているのですが、本体のみを中古で購入した場合、知らずに使っている人がいるのではないかと思います。

アンプ直のオーバードライブ

アンプのサイズは思っていたよりも小さく、340(W)×305(H)×190(D)mmで、重量8.2Kg。

所有しているレイニーのCUB-SUPER12よりもひと回り小さく、マーシャルのDSL-1Cとほぼ同じ大きさです。

届いたアンプを早速試奏。
落札前にYouTubeでサウンドチェックした通りの音で、不具合も無くひと安心。

ただ、試奏してみて意外な点が2つ。

① Toneコントロール
Tone5でフラットな状態になるようにセッティングされています。
左に回すと中域がブーストされ、右に回すとハイとローが同時にブーストされます。
右いっぱいの Tone10でかなりのドンシャリサウンドにまで変化します。

トーンコントロールについては、いつも使っているアンプとは全く勝手が異なります。


② Gainコントロール
Gain1~3まではクリーントーン。
Gain4~6あたりでオーバードライブがいい感じにかかり始めます。
Gain7~10ではオーバードライブのかかりが深くなり、ディストーションレベルまで歪んでいきますが、歪みが徐々にブーミーになっていき、Gain10ではファズのニュアンスを含んだオーバードライブになります。

アンプ直でドライブさせたファズの音が欲しい人にはピッタリのアンプかもしれません。

プリ管1本とパワー管1本で構成されたシンプルな小型アンプは「死んでも歪まない」印象を持っていましたが、このアンプはギター信号をオペアンプで増幅してからプリ管に入力しているので、小音量でもGainを上げれば歪み易くなっています。

このオペアンプを嫌って、回路から外してしまうユーザーもいるようです。

私がこのアンプに興味を持った主な理由は、低出力・低価格に加え、Gainコントロールが装備されていることでした。

他の低出力アンプは、Level(=Volume)コントロールのみで、アンプ単体で歪ませるにはVolumeを上げてパワー管をドライブさせる必要があり、家でオーバードライブサウンドを鳴らすには音が大きくなり過ぎるため、実用的ではありません。

個人的には、Gainを10まで上げるとブーミー過ぎます。
「ブーミー≒音がこもる」感じになる上に音も潰れてしまい、Toneコントロールも独特なので音色調整は難しく感じました。

試しに、真空管アンプ本来の音の出し方である「Levelを上げてパワー管をドライブさせる」方法で全体の歪みを調整すると、好みのオーバードライブが得られました。

ただし、昼間でも出せないレベルの音量になってしまいますが…。

出力5Wと言っても、自宅ではこのアンプが持っているスペックの半分も出せません。

家で歪ませて使う時は、アンプの前にオーバードライブを繋いで、アンプ側のLevelを2~3、Gainを抑え目ににセッティングして、オーバードライブ側で歪みを調整しながら鳴らすことになります。

夜中にアンプ単体でGainを上げて自宅で弾く場合、私の住宅環境では音量はLevel1~2までが限界です。


サウンドは中域に特徴のある、昔ながらの真空管アンプといった感じです。

オーバードライブに関しては、先述したようにLevelを下げた状態でGainだけを上げると音がこもるので、アンプ直結で好みの歪みを得るにはGainを下げて爆音で鳴らすことになると思います。

とにかく小さいので、何処にでも持ち運んでチューブサウンドを楽しめるのが気に入りました。

普段は部屋の足元に置いておいて、手持ちのギターからそのままプラグインして気持ち良く弾けるアンプだと思います。
クレイト VC508

何よりもこのアンプ、LevelとGainのセッティング次第でピッキングのニュアンスに敏感に反応するようになり、ピッキングの練習用アンプとして、しばらくはメインアンプになりそうです。

一部のマニアの間では「名器」と評価されているそうです。

1990年代から発売されてきた家庭練習用オールチューブアンプを見て来た自分の視点から「VC508」というアンプの立ち位置を見れば、確かに彼らの言う通り、VC508は「名器」と呼べるアンプだと思います。

所有しているマーシャルのDSL-1Cとは20年の開きがあり、音作りの多彩性では勝負になりませんが、このアンプにしかない魅力は確かに感じ取ることは出来ました。

インサーションケーブル Hosa STP-201RR

このVC508ですが、エフェクトループ機能が搭載されていて、外部エフェクターを繋ぐことが出来ます。
ただし、エフェクトループ接続にはインサーションケーブルが必要になります。

外部エフェクターを繋ぐため、インサーションケーブルを購入することにしました。

Hosa STP-201 1m インサーションケーブル

インサーションケーブルとは、片方が3極ピンのTRSジャック(ステレオジャック)、もう片方が2極ピンのTSジャック(モノラルジャック)2本で構成されているY字ケーブルです。

個人的には馴染みの無いケーブルで、フェルナンデスのアンプ内蔵コンパクトギター「ZO-3芸達者」のエフェクトループでも使用されています。

省スペースのため、L型ジャックになっているものを探してみると、ストレートのものは幾つかありましたが、L型で販売されているものは1種類しかありませんでした。
インサーションケーブル

Hosa STP-201RR 1m L型 インサーションケーブル

Hosa Technology社はアメリカのケーブル・アクセサリーブランドです。
製造はタイで行われていて、パッケージ裏には英文の説明があります。Hosa インサーションケーブル 説明書

モノラルジャック2本には、それぞれ「TIP」「RING」と書かれたケーブルタグが取り付けられていて、TIPはセンド端子に、RINGはリターン端子に繋ぐように図解されています。

そこそこしっかりした作りになっているくせに、めちゃくちゃ安い!
ケーブルの自作も検討しましたが、費用と手間と出来栄えを考えると断然こっちの方が良いです。インサーションケーブル Hosa STP-201RR L型

L型ジャックになっているものは需要が高いようで、私が購入したショップでも定期的に入荷されていますが、数ヶ月で在庫切れになっています。

TRSジャックをアンプのラインアウト端子に挿し込み、TSジャック2本は、TIP側(黒)が外部エフェクターのインプット端子に、RING側(赤)がアウトプット端子にそれぞれ挿し込みます。
インサーションケーブル 外部エフェクター接続

このアンプにはリバーブが付いていないので、エフェクトループ機能は大きなアドバンテージです。
CRATE VC508 外部エフェクター接続

あまり音を作りこんでいくタイプのアンプではないと思いますが、エフェクトループにマルチエフェクター、アンプの前にオーバードライブを繋いだら、よりご機嫌なサウンドになりました。

ただ、いろいろな機材を介してしまうと、このアンプ本来の持ち味が消え失せてしまうような気がします。
やはり、このアンプには無骨なギターからの直結サウンドが似合います。
CRATE VC508とマルチエフェクター

小型チューブアンプの扱いについて

20W以上の真空管アンプになると、パワースイッチとスタンバイスイッチの2つのスイッチが付いています。

スタンバイスイッチは、真空管が温まるまで信号をアンプに送らないようにするためのものです。

ところが、小型の真空管アンプにはスタンバイスイッチがありません。

昔、アンプのスイッチを入れても、直ぐにはアンプからギターの音が出て来ないため、弾きながら音が出て来るのを待っていたりしていました。

実はこれ、真空管に過度な負荷をかけてしまう禁止行為で、真空管の寿命を縮めてしまいます。

スタンバイスイッチがないから真空管を温める必要がない訳ではありません。
VC508の説明書にも30秒間アンプをウォームアップさせるようにと注意事項にあります。

さらに、電源を切らずにプラグを抜き差しする行為も、真空管アンプに限らずトランジスタアンプにもダメージを与えてしまいます。

真空管アンプは、テレビやパソコンのように便利に作られた家電製品とは違います。
前世代的な技術で作られている電気製品なら、扱いも前世代的に行うべきです。


20年越しでようやく入手したクレイト製チューブアンプ VC508。
手放す日が訪れるのか分かりませんが、壊れずに長い付き合いになってくれればと思います。

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