DIY シロアリ駆除① シロアリ被害発見
シロアリ被害発見
ある日、脱衣所の床が抜けました。実はこれで2回目になります。
元々、日当たりの悪いお風呂場隣の洗面所の床で、湿気がこもりやすく床が腐ってしまったのだと思い込んでいました。
2回目なのでDIYで修繕できないものかと抜け落ちた床を眺めていると、どこからか何やらかすかに「ミチミチ…」と音が聴こえてきます。
何の音かとその音のする場所を調べてみると、自分が立っているすぐ傍の柱のあたりからです。
何気なく柱を指でなぞると、パリパリと音を立てて筋状に剥がれていきました。
剥がれた柱の筋の中を見てみると、白い虫がウヨウヨいて、自分の家がシロアリ被害に遭っていると初めて知った瞬間でした。
恐らく前回も、シロアリが原因で床が抜けたのだと思います。
驚きつつも、すぐに殺虫スプレーを取りに戻ってみると、柱には既にシロアリの姿はいませんでした。異変を感じた瞬間、すぐに逃げてしまったのです。
シロアリ群飛の記憶
思い返してみると、つい数カ月前の5月連休前後に、羽アリの大群が台所に発生した記憶が蘇りました。
この頃は、シロアリに関する知識など全くない状態で、まさか自分の家がシロアリ被害に遭っているとは夢にも思いませんでした。
シロアリは春のある蒸し暑い日に「群飛」と呼ばれる行動を行います。
早い話が巣分かれのことで、巣(コロニー)から飛び出した羽アリは交尾を行うとすぐに地中に潜ります。
そこで冬を越した後、春になると行動を開始します。
つまり、産卵で孵化したシロアリが、家の木材を食べ始めるということです。
日本に生息するシロアリで家に被害をもたらすのは、おおまかに「イエシロアリ」と「ヤマトシロアリ」の2種類になります。
どちらのシロアリも、女王を頂点としたピラミッド型の社会性昆虫で、コロニーの大多数を占める働きアリと、それを護る兵アリで主に形成されています。
イエシロアリは、乾燥した木材に湿った土を運んで湿らせるため行動範囲が広く、食害被害が大きくなり、時には2階部分まで達することがあります。
一方、ヤマトシロアリは、自ら水を運ぶことがなく湿った木材に生息するので、食害範囲が狭く、イエシロアリよりも被害が少なくなります。一般的にこちらの被害の方が多いようです。
シロアリ被害を発見したら種類の特定が先決事項になります。
イエシロアリもヤマトシロアリも外見は酷似していますが、イエシロアリの方が体が全体的に大きくなっています。羽アリはヤマトシロアリは黒く、イエシロアリは茶色くなっています。
個人的に1番分かりやすいのは兵アリで、イエシロアリは頭部が丸くなっているのに対し、ヤマトシロアリは頭部が細長く長方形になっています。
私の家はヤマトシロアリの被害に遭っていました。
シロアリ被害の調査
群飛をしたということは、すでにシロアリが巣別れするほどに家を巣食っていたことになります。
この時点で、すでに半分手遅れとも言えますが、このまま放置しておく訳にはいきません。
我が家の基礎部分は、現在のような基礎部分をコンクリートで固める「ベタ基礎」ではなく、外周をコンクリートの壁で囲い、中は石を敷いてその上に柱が立っている古い構造の家になっています。そのためシロアリ被害に遭いやすい家になっています。
この様な床下が地面むき出しになっている家屋には、床下の土に薬剤を散布してシロアリの侵入を防ぐ方法が有効でしょう。
床下に潜り、被害の確認を行います。
床下に入ることは通常ないことなので、どこから入れば良いのか分かりませんでした。
天井に上がる時は、押し入れの上の板が外れるようになっていて比較的楽ですが、床下は板がしっかり打ち付けられていたので、1番板の薄いベニヤ板を剥がしました。
床下は、狭い上にカビ臭く、埃が舞った状態で這って移動することになります。
非常に動きにくいので頭を頻繁に柱に打ちつけるため、けが防止のためヘルメットとまでは言いませんが、頭にタオルを巻いてマスクも着用するべきです。
床下に潜ってみて、もう1つ気付いたことがありました。
前回の床の修理を依頼した業者は、恐らくシロアリが原因だと知っていたのだと思いますが、教えてはくれませんでした。
しかも床下には、業者が残していった木材の切れ端が至る所に散乱していました。
手に取って見てみると、シロアリに食べられてボロボロになっていて、この木片の山がシロアリを誘引した可能性もあります。
家の修繕を依頼する業者は、慎重に選ぶべきだと痛感しました。
自分の家がシロアリ被害に遭っているかどうかの確認方法は非常に簡単です。
床下を覗いて、基礎コンクリート部分の下から床に向かって土の線があるかどうかです。
恐らく、シロアリ被害に遭った人が最初に覚える専門用語で、蟻道と言います。
巣は大抵の場合地中にあり、「蟻道」と呼ばれる土で造られた道を通って家屋の木材まで登って来ます。
蟻道を崩して見ると、木材の真ん中に穴が空いていて柱の中に続いていました。
この周辺の木材はすべてダメになっていて、ボロボロと剥がれていきます。
床を支える柱が被害を受けていたので、がっくりしてしましました。
シロアリの蟻道
シロアリの痕跡を発見した時は触れてはいけません。
見た瞬間に壊してしまいたい衝動に駆られてしまいそうですが、その後の対応の妨げになります。
業者に頼むにしても、自分で駆除するにしても、何処にいたのか等の状況把握が出来なくなってしまうからです。
蟻道を壊されたからと言って、シロアリは家から出て行きません。逆に警戒されるだけです。
今後についてよく考えるためにも、冷静に行動することが大切だと思います。
DIYでシロアリハンターを施している最中、蟻道を壊してしまった時のことです。
蟻道を約5㎝ほど破壊してしまい、この程度破壊されるとシロアリは蟻道を破棄してしまう可能性が高くなりますが、この蟻道はシロアリたちにとって使用頻度が高かったためか、修復し始めたのでそのまま観察してみました。
最初の5分位は兵アリが警戒音を発していたのですが、そのうち働きアリが出てきて見る見るうちに蟻道を修復していき、5分で元に戻してしまいました。
修復したばかりの蟻道はまだ湿っていて色が違っています。
修復し始めの時は、働きアリが上に下に移動しているだけに見えたのですが、徐々に土が盛られていき、最後には完全に塞がってしまい、非常に驚きました。
働きアリに交じって、大きなアゴを持つ兵アリが出て来て周辺の様子を窺っていました。
兵アリは働きアリを護る役割をしていて、危険を感じると顎を鳴らして周りにいる働きアリ達に知らせます。
実際、蟻道を軽く叩いてみると、中から「カチッ、カチッ」と警戒音が聴こえてきます。
この警戒音は、蟻道の中にシロアリがいるかどうかの指標になります。
ただし、刺激しすぎると最悪の場合、蟻道を破棄してしまうので、聴こえてきた時の取り扱いには注意が必要です。
シロアリの個体は非常に小さいですが、その個体数の多さから、敵は強力な機動力を持っていることを知りました。