DIY シロアリ駆除② シロアリ対策
シロアリ駆除の方法
シロアリ駆除には大きく分けて「薬剤散布法」と「ベイト工法」の2つの方法があります。
薬剤散布法は、床下に薬剤を撒いてシロアリを駆除する方法で、多くのシロアリ駆除業者が行っている方法です。バリア工法とも呼ばれます。
シロアリ駆除と言えば、最初にこの方法が連想されると思います。
薬剤散布法のメリットは
①施工した時点から効果を発揮すること
②施工後5年は効果が維持される
③業者の行う施工では最も安価である
当然、デメリットもあります。
①人体に影響しない薬剤を使用していても、住んでいる人間への健康被害の可能性が否定できない
②薬剤を注入するため柱に穴を空ける
最近は、人体に影響しない薬剤を謳う製品も出てきています。
家のシロアリ被害が自分の手に負えないと分かって、家の修繕の見積もりを工務店に頼んだ時に、シロアリ駆除業者もやってきて床下に潜った結果の見積りが、20坪足らずの家屋で、ざっと十万円でした。
この時は、まだDIYでのシロアリ駆除と家の修繕を考えていたので、参考までの値段と考えていました。
ベイト工法は、薬剤をシロアリに食べさせることによって巣ごと駆除してしまう方法です。
シロアリはお互いの体を舐め合い、餌を口移しに食べる習性があります。
この習性を利用して、ベイト剤という脱皮阻害剤を染み込ませた紙をシロアリに食べさせ、脱皮阻害剤を食べたシロアリは巣に帰って別のシロアリに自分の食べたモノを与えることで巣全体に薬剤が行き渡り、巣ごと全滅させます。
ベイト工法のメリットは
①巣ごと駆除できる
②使用する薬剤の量が少ない
使用する薬剤は、脱皮する昆虫にのみ有効で、ほ乳類や魚類などの脱皮しない動物には安全性が高く、環境への影響が少ないことが特徴です。
デメリットは
①効果が表れるまで時間がかかる
②薬剤散布法よりも費用が高い
ステーションと呼ばれるベイト剤を入れた容器を、家の周辺やシロアリ被害個所に埋めたり、貼りつけて食べさせることによって巣を全滅させる方法を採用していますが、逆に言えば、食べなければ効果は全く無いと言うことになります。
また、シロアリが脱皮するまでに1~2か月かかるため、駆除できるまでに最低でも同様の期間が必要になります。
自分で駆除してみる
家のシロアリ被害の状況から、最終的には業者に依頼することになることは分かっていましたが、今後のシロアリ対策についても経験しておきたいとの考えから、出来るレベルでのDIY駆除を試みてみることにしました。
シロアリ駆除方法は、大きく分けて2つあることは周知のとおりです。
DIYでの薬剤散布は、薬剤や散布するための機器、保護服の購入、人体への万が一の影響を考えて断念しました。
それに、業者に頼めば薬剤散布することになります。
薬剤自体は個人で簡単に入手することが出来ます。
木部処理用シロアリ予防駆除剤 白アリミケブロック 400ml
それよりも、個人的にベイト工法に興味を持ちました。
本格的なベイト工法を施工している業者も当然存在していますが、依頼すると薬剤散布業者よりも高額な費用がかかってしまいます。
ベイト工法の自分でシロアリ駆除を行える商品にシロアリハンターという商品があり、他の商品と比べると安全で、気軽に行えることから試してみることにしました。
シロアリハンター
イカリ消毒株式会社から販売されている製品で、安価に購入することが出来ます。
大きさが、70×70×30mmのプラスチック製の容器内に「ベイトシステム」という脱皮阻害剤を染み込ませた紙が入っていて、これを家の周辺や床下に設置し、シロアリに食べさせて駆除するものです。
プラスチック容器は開けることができ、中には脱皮阻害剤の染み込んだ紙が何枚も重なっています。脱皮阻害剤の効果は2年間有効です。
底にはシロアリの好む薄い木の板が敷いてあって、シロアリを誘引する仕組みになっています。
プラスチックの容器は、自然分解する素材で作られています。
シロアリハンター設置あれこれ
説明書に記載されている設置方法は、土に埋める方法と木部に固定する方法の2通りです。
土に埋める方法にも2通りあり、基礎周辺に埋める場合は土中にコンクリートが突出しているため2~3cm離して、犬走りに埋める場合は接するように埋めます。どちらも土中から上がって来るシロアリを容器底部で待ち受けるやり方になっています。
木部に固定する場合は、蟻道に設置するようになっていました。
この説明が、蟻道を壊して設置するのか、壊さないで上に設置するのか分かりませんでした。
一番大切なのは、どうやってシロアリに薬剤を食べさせるのか?ということだと思います。
勢い余って6個入りを2セット買ったのと、床下の蟻道が複数ヶ所あったので、色々試してみることにしました。
設置したのは8月初旬です。
シロアリが活発に活動するのは春から秋にかけてであり、気温の低い冬場には活動を抑制しますが冬眠はせず、1年を通して活動しています。
5月にシロアリの群飛を見て、暫くしてからシロアリ被害を発見したので、設置が遅れています。
1番スタンダードな土中に埋めるやり方は、蟻道の真下の土を慎重に掘って埋めてみました。
因みに土を掘ってみると、蟻道が土中まで続いています。
その他に、その周辺に幾つか埋めてみました。
シロアリに直接食べさせたかったので、シロアリハンター底部にある誘引用の木を抜いたものを何個か作って…。
被害木材に直接貼ってみました。
説明書には、テープで固定するように書かれていますが、テープで張り付けても食べられた木材がボロボロと剝がれて貼り付かなかったので、木材をついたてにして動かないように固定しました。
他に、蟻道を少し壊してその間に入れてみました。
特にここは、コンクリート製の基礎部分なので、普通のガムテープでは貼り付きませんでした。
下にコンクリートブロックを置いて、動かないようにして対応しました。
埃だらけの床下の、体の自由の利かない場所での作業は非常に困難でした。
また、テープでの貼り付けは、専用の粘着性の高いテープを使用しないと難しいと思います。
スコッチ マスキングテープ (コンクリート・タイル・パネル用)
残りのシロアリハンターは説明書通りに設置しておきました。
設置が面倒な人は、エアゾールタイプのものがあります。
ベイト工法とは異なりますが、シロアリ被害に遭った木材の中に噴射することによって巣ごと駆除できる殺虫スプレーがあります。
ゴキブリ駆除にも使用されている遅効性の毒物であるフィプロニルを使用しているもので、シロアリの体に付着させることによって、巣に持ち帰った毒をコロニー全体に伝播させて駆除する方法です。
個人的に、その理論には納得させられるものがあり、使用検討に値する商品だと思いました。