DIY シロアリ駆除③ シロアリハンター設置1年後
途中経過と失敗
蟻道に直接貼り付けたシロアリハンターを観察すると、崩した蟻道部分が修復され、容器内へ繋がっていて、ヒットしている可能性があるモノも見受けられました。
この状態でフタを開けると、修復された蟻道を再び壊してしまうので、放置しておきました。
土中に埋めたシロアリハンターは、外観からは確認のしようがありません。
シロアリハンターの説明書には「1~2カ月に1度は容器のフタを開けて、シロアリがいるかどうか確認してください」との旨の説明があります。
説明書に記載が無くても、設置して1~2カ月もすると、心情的にシロアリがヒットしているか確かめたくなります。
2か月経過したある日、床下に潜り込んで埋めてあったシロアリハンターのフタを開けてみました。
順にふたを開けて見ていきましたが、ことごとくヒットしていませんでした。
何個か目で、ふたを開けた瞬間に、群がっているシロアリの姿を確認しました。
狭い床下で大喜びしながら、すぐにフタを閉めました。
さらに1か月後、同様にシロアリハンターの様子を見るため、床下に潜ってフタを開けてみましたが、ヒットしていたはずのシロアリハンターにはシロアリが1匹もいませんでした。
原因は、フタを開けたことによってシロアリが警戒して逃げてしまったのだと思います。
せっかくヒットしたシロアリを刺激して逃がしてしまったのです。
フタを開けた時に中の方で「カチカチ」と音がしていて、兵隊アリが警戒音を出して働きアリに警報を出していたのでした。
シロアリハンター設置結果
工務店に家の修繕を依頼したので、それまでほったらかしにしていたシロアリハンターの回収をしました。
シロアリハンターを設置してから約1年間経ったことになります。1年間、抜けた床を放置していたことになるのですが…。
設置したシロアリハンターは全部で12個で、ハッキリと食べられた跡が見受けられたのは4つだけでした。
4つのうち、柱に貼り付けたモノは紙の表面が少し食べられたかな?と思えるくらいでした。
残りの2個は土中に埋めたモノで、容器の中は土だらけで蟻道が作られていました。
蟻道に直接貼り付けたモノは、崩した蟻道の出入口に接していた部分に少し齧られたような跡がありましたが、ほんの少しだけでした。
残りの半分以上はヒットせず、紙のまま綺麗に残っていました。
想像と違っていたのは、どれも少ししか食べられていないことでした。
1番食べられていたシロアリハンターで、下の画像のモノでした。てっきり全て食べつくされているものだと思っていました。
ヒットしたシロアリハンターは、底にあった木の部分があらかた食べつくされていました。やはり紙より木の方を好むようです。
シロアリハンターを設置した時に、床下のの木材を叩くと中で兵隊アリが「カチカチ」と顎を鳴らして警戒音を出していたので、回収した時に、試しに木材を叩いてみましたが、何の音もしませんでした。
その後、蟻道を壊すなどして、床下を調べてみたのですが、シロアリがいる気配が無かったので、個人的には駆除できたのだと思っています。
考察~ヒットさえすれば…
結局、工務店が家の修繕を開始する時に、シロアリ駆除業者がやって来て薬剤散布したので、シロアリハンターで絶対駆除できていたのかどうかは確実な言及はできませんが、設置をしてみて以下のようなことが分かりました。
- 設置したシロアリハンターは絶対に触ってはダメ
説明書には「1~2カ月に1度はヒットしているか確認してください」旨の説明がありますが、個人的な見解は、1度設置したシロアリハンターは放っておくのがベストです。
ヒットしていないシロアリハンターならば確認しても問題ないでしょう。しかし、ヒットしたシロアリハンターだった時は、せっかくの駆除できるチャンスを逃してしまう可能性があります。
- 土中に埋めた方が喰い付きが良い
個人的な意見ですが、蟻道に貼りつけるよりもヒット率が高いように感じました。
説明書には「蟻道のすぐ傍に設置する」ように記載がありますが、シロアリは土でできた硬い蟻道の中を通って移動しているため、蟻道のすぐ傍にあるシロアリハンターの存在には気付かないと思います。
- 容器内の紙をすべて食べるわけではない
説明書には「紙が無くなっていた時には補充する」旨の記載がありますが、これはコロニーの規模に拠ると思います。
イエシロアリのような大きなコロニーを形成する場合は当てはまるかもしれませんが、容器のフタを開けるため、ヒットしたシロアリが逃げてしまう可能性があります。
紙が足らなくなるほど食べてくれたならば、巣を一つ全滅させるだけの量をシロアリに与えていると思います。
- シロアリハンターのヒット率は2~3割くらい
私の家の場合、コロニーがすでに群飛をするくらいの大きさまでになっていて、シロアリハンターを設置した時期が活動のピークである夏であったことも、ヒット率を下げた要因だと思います。
そのことを加味してみてもヒットさせることは非常に困難であると感じました。
つまり、それなりの数を設置しなければ効果は期待できないということです。
逆に言えば、1個でもヒットさせれば大きな効果があるとも言えます。
シロアリ被害が初期の段階であれば、コロニー拡大の真最中のはずなので、新たな蟻道を作っていきそうなコンクリートや木材のコーナー部分に設置しておけば、大きな効果を期待できると思ます。
シロアリハンターは、シロアリの侵入を待ち伏せするタイプの商品であるため、薬剤散布の駆除方法と比べれば、消極的な駆除方法であると言えます。
設置したからと言って安心出来ませんが、逆に設置を機会にシロアリ対策に関心を持ち、年1回くらいは床下のチェックをする良いきっかけになったと思います。
今まで床下をチェックしたことが無い方は、床下に木片やゴミなどのシロアリを誘引する物が無いか見ておくことをお勧めします。
設置が面倒な人は、エアゾールタイプのものがあります。
シロアリハンター エアゾール シロアリ予防 (200mL)
ベイト工法とは異なりますが、シロアリ被害に遭った木材の中に噴射することによって巣ごと駆除できる殺虫スプレーがあります。
ゴキブリ駆除にも使用されている遅効性の毒物であるフィプロニルを使用しているもので、シロアリの互いに体を舐め合う習性を利用していて、体に付着させることにより、巣に持ち帰った毒をコロニー全体に伝播させて駆除する方法です。
こちらの商品は、シロアリハンターと駆除方法が似ていますが、こちらから攻撃を仕掛けていく点ではシロアリハンターよりも積極的で即効性も高く、シロアリを見つけ出して薬剤を付着させることが出来れば、駆除できる可能性はシロアリハンターより高いと思いました。
個人的に、その理論には納得させられるものがあり、使用検討に値する商品だと思います。